2013年11月28日木曜日

JERRY HSU interview by JENKEM

アメリカのJENKEMというスケートのサイトがあるのですが、ここの記事が毎回アツイし面白いしで、これはシェアせねばならんと思って翻訳しました。JENKEMから許可もらいました。ありがとう!

I translated this article with the permission from JENKEM magazine. Thank you so much!!

JENKEMほんと面白いんで、ぜひチェックを!
If you didn't know JENKEM, now you know! Check them out!
LIKS↓


JERRY HSU DISCUSSES CHOCOLATE, LEAVING ENJOI & THE INDUSTRY


他のみんなと同じく、俺はEnjoiに洗脳されてきた。Enjoiのことを考えるとき、あのどぎついオレンジの色、パンダ、そしてジェリー・スーの顔を思い浮かべずにはいられない。それは単純にジェリーがBag of Suck(Enjoiが出したビデオ)でトリを飾ったからかもしれないが、やっぱりジェリーが一番Enjoiを象徴していたと思う。レイノルズがエメリカ、ナイジャがエレメントを象徴しているのと同じように。俺的にはJerryこそEnjoiだ。だから彼が10年以上在籍したEnjoiを離れるという話を聞いた時は、すぐには信じられなかった。Chocolateファミリーの一員となった今、ジェリーがこれからベテランスケーターとして、若手たちとバランスを取りながらどういったキャリアを積んでいくのか、楽しみでならない。

10年以上在籍したEnjoiを最近辞めてしまったね。理由のひとつにブランドマネージャーのマット・エバーソーが辞めてしまったことを挙げていたけど、君の目からみて、マットはどうしてそれほどEnjoiにとって重要だったの?そして、どうして彼が辞めたあとで自分も辞めようと思ったの?

マットと俺は15年以上も友達だから、お互いをほんとに良く知ってるんだ。マーク(ジョンソン)が辞めたあとは、マットがEnjoiのブレインだった。それを俺だと思ってる人が多いけど、実際はマットだった。彼はそれにふさわしい名声を得ることができなかったけどね。彼はブランドマネージャーの仕事だけでなく、広告も作ったり、ボードのグラフィックをやったり(Enjoi専属アーティストのWilson Tsengと一緒に)、撮影したり、ビデオも作ったり、チームマネージャーの仕事もやっていた。4つも5つも同時に仕事を抱えていたんだ。それに、今言ったような仕事だけじゃなくて、Enjoiを所有している親会社の役員たちとも戦わなくちゃならなくて、ものすごいストレスになってた。向こうがやりたいことと俺たちがやりたいことは必ずしも一致しなかったからね。マットがいたから、可能な限りEnjoiはルーツに忠実であり続けることができたんだ。

マットがいなくなったらEnjoiは別のものになってしまうってのは分かっていたし、そうなった後のEnjoiは俺がいるべき場所じゃないと感じたんだ。俺はこれから起こる出来事の先を行きたかった。そしてそのチャンスがあるとしたら、それは今だったんだ。簡単な決断じゃなかったけどね。何年も、ブランド内部で俺が納得できないことが積み重なってた。決断には時間がかかったよ。ただ俺が辞めたことと、チームメートとは全く関係ない。俺は彼らを本当にリスペクトしているんだ。


どんな風にして辞めたの?どんなリアクションだった?

殆どの人にとってはショックだったよね。俺自身も含めて。人から「まだEnjoiに在籍してるのか?」って聞かれたら、「分かんない。もうしばらく経ってから聞いてくれ」って答えてた。長年真剣に付き合ってきた彼女とうまくいかなくなって、別れる時に似ているね。それと向き合いたくなかったから、本当に「辞める」って瞬間は、誰から見ても「もう終わりだ」ってなるまで、可能な限り引き伸ばしてきたんだ。なかなか決められなかったし感傷的になった。来年の予算に入るか?って聞かれた時に、やっと予算には俺を入れないでくれって言えたんだ。ほとんどいつもルーイ(バーレッタ)と相談してたんだけど、辞めるってことを彼に伝えるのは簡単じゃなかった。俺たちは同じボードブランドに14年間も一緒にいたんだからね。俺にとっては気持ち的にキツかったよ。

ネット上でキッズたちがネガティブな反応をしているのも見るよ。まるで誰が一番俺のことをボロクソに言えるかどうか競っているみたいな感じだ。キッズの多くは変化を嫌うんだろう。でもたしかに俺とEnjoiの絆はほんとに強かったから、キッズたちを責める気にはなれないよ。

契約書とかはどうなっていたの?Enjoiとの契約期間が終わるまで辞められなかったりした?

もし契約書が存在していたら、そうなっただろうけど、俺はEnjoiと契約書は交わしてなかったんだ。これはマットが俺たちライダーのために、そうしてくれてたんだと思う。マットは俺たちが、親会社が持ってるブランドの中でも、特に重要なポジションにいることを分かっていたからね。俺たちは会社のなかである程度の力を持っていたから、経営陣が俺たちに無理な要求をしようとしてきたときに、マットは契約書を交わさない形にしたんだ。もし物事が悪い方向に進み始めたら、チームを利用して「OK、だったら俺はチームと一緒にどこか別のところに行くよ」って言えたんだ。いつもうまくいったわけじゃないけどね。社内の関係を維持するためには、チームのライダーから社内のトップにいたるまで、みんなに負担がかかってた。




マットや君みたいな門番的存在がいなくなってしまった今、これからどんな風に(Enjoiは)変わっていくと思う?

基本的にスケートボードってのはビジネスで、ビジネスの目的ってのは金を稼ぐことだよ。多くの会社が最終的には「黒幕たち」によって経営されているんだ。「黒幕たち」ってのは、投資をしてより多くの金を手に入れようとする人たちのことで、普通の人は会うことさえない。奴らが欲しいのは結果だけだ。Enjoiの俺のボスたちの上にもボスがいるし、そのボスたちにもまたボスがいる。スケーターたちとこの黒幕たちの間には沢山の人たちがいて、それぞれ自分の仕事をやって家族を養い、上司を喜ばせようとしている。どれほどEnjoiをコアなブランドのままにしたいと思っても、できるだけ多くのプロダクトを作って、それを売らなくてはならないっていう要求がある。拡大と成長さ!マットは17色のカラージーンズなんて作りたくないって言ったんだけど、結局俺たちはやることになってしまった。ケツのところにどでかいパンダの付いたジーンズなんて作れるわけないじゃん!経営陣は常に成長を続ける安定した経営ってのを欲しがる。理想をかかげて成功を手に入れた全てのスケートブランドが、最終的に向き合う問題がこれさ。「ライダーと従業員全員の面倒を見ながら、ビッグビジネスに屈しないようにするには、どうしたらいいのか?」

殆どの人にとっては答えは簡単だよ。「大きいことはいいことだ!」ってね。こういったことについて議論するときに大事なのは、みんなのやりたいことが、それぞれどれだけ違ったものになりうるのかってことを考えることだ。中間から上位の経営陣は、ブランドがコアかどうかを心配しながら夜をすごすなんてことはない。だいたいそんな理由もないしね。彼らが夜起きて心配しているのは、自分たちの仕事のこととアダルトなことさ。それで結局わけ分かんない決定がたくさん下されて、誰も意見が一致していない状態になる。クリエイターやスケーターたちが何かやりたがっても、黒幕たちが賛成しない。一般的にクリエイターたちってのは何も持ってないんだから、どっちが勝つかわかるだろ?みんな信念を持ってスケートビジネスの世界に入ってくるけど、最終的には冷めて無関心になる。

それに、どのプロスケーターも同じ考え方ってわけじゃない。この問題について殆どのプロは「何が問題だっていうんだ?ぶつくさ言ってないでレインボーのジーンズでも作ってWalmartとの契約まとめて来いよ!その金で中国行って撮影するんだ!」って言うよ。自分の車のローンがちゃんと支払えればよくて、面倒くさいこととか気にしたくないんだ。それは俺もすごく分かるよ。俺だって馬鹿みたいな決定がされているときに、ボーっとして座ったままでいたことがあるよ。そういう面倒は無視して、Enjoiは給料も良かったから、それをありがたく頂戴するってほうが楽なんだ。スケーターとしては、こうした馬鹿な決定の数々を見るのはがっかりするよ。マットだって何よりもまずスケーターなんだからね。だからマットがEnjoiを辞めるってなったとき、俺もそうする時だって思ったんだ。



最近は沢山のスケーターが、長年在籍したスポンサーを離れる動きが出ているよね。どうしてみんなこういう動きを始めたんだと思う?

理由には色々な要素が重なり合っていると思うけど、ここ5年かそこらの間に、ライダーたちや会社がどういう風に扱われてきたかってことに対するリアクションだと思うんだ。常にあることではあるけど、大企業が再びスケートに参入してきて俺たちに擦り寄ってきたりっていう、スケートボードの現状とかね。こうした中で、多くの人にとってネガティブに感じられるものが、スケートボードの中にできてしまったと思うんだ。俺たちはスケートボードが誰からも相手にされてないころに、スケートを始めたんだからね。給料だって月々500ドルくらいのもんだったし、学校じゃボコられる理由だった。そうしたことを経て、謙虚に物事をありがたいと思えるスケーターが育つんだ。今じゃスケーターはヒーローだよ。俺にとっては信じられない話さ。映画「ナーズの復讐」をもう一度観ているようなもんでさ、今じゃジョックス(アメリカで、アメフト選手などのスポーツ系/筋肉系の嫌な奴を表す言葉)はみんなスケーターだよ。どいつもこいつもスケートが好きで、メジャーのカルチャーが俺たちのサブカルチャーに入ってきている。こういったことがスケーターたちの目を覚まして、何かしないといけないって気にさせるんだ。自分が言いたいことを言い、やりたいことをやって、みんなに自分が思うスケートボードってのは何かを見せるんだ。こういう人たちが、自分たちの小さなスケートボードのカンパニーを作り始めてるんだ。それはすごくいいことだよ。今あるスケートボードだけが全てじゃないってことを見せているんだ。最初の何人かが動きはじめたら、後はその動きが広がるだけさ。最近は沢山の変化があったし、これからどんどん色んなことが起こると思う。

1992年にスケートボードをかっこいいと思ったキッズと、2013年にスケートボードをかっこいいと思うキッズってのはタイプが違うよ。もちろん世代の違いってのはあるけど、それにしても違うよ。もし俺が今12歳のキッズだったら、スケートボードについてどう思うのか自分じゃ想像ができない。スケートがどんだけヤバくて面白いものなのか、ちゃんと理解できるだろうか?分からないけど、たぶん気味の悪いメインストリームなものだって思うんじゃないかな。たぶんスケートを始めることすらないかもしれない。俺がスケートを始めた理由って、髪を緑に染たり太いズボンを履いたりしてるやつらがスケートしてたからなんだ。スケーターはアホな奴らに見えた。俺もそうなりたかったんだ。今までスケートが俺に与えてくれたことには全て感謝しているけど、当時のスケーターの感じが今はもうないのが寂しいよ。


スケート業界は新しく立ち上がってきたインディペンデントなブランドをサポートできると思う?

それはキッズ次第だね。結局のところ、どのブランドが生き残って、どのブランドが潰れるかはキッズが決めるんだ。俺の答えはイエスだね。こういった小さなブランドが生き残る可能性は十分あるし、こういう良い人たちがいて、リスクを省みずにやろうとしているのは素晴らしいよ。スケートボードにとってポジティブなことだと思う。

90年代から続いてる昔からのブランドは、将来10年20年先も、今のように存在し続けることができると思う?

もしブランドがそのくらい長く存続しようと思うなら、ブランドイメージを変える必要はないと思うけど、基本的にはどんな若手をプロにするかにかかってくるだろうね。次の世代のスケーターが全てさ。ここをうまくやることができれば、将来にも続いていくことが出来ると思うよ。もうひとつ大事なのは流行にあんまり左右されないようにすること。流行ってのはバブルだから、いつかは弾ける。だから流行に飛び乗るんじゃなくて、先手を打っていくようにしたほうが賢明だよね。

自分のブランドを立ち上げようと考えたりはしなかったの?

真剣に考えたことはないね。色んな人たちから「新しい会社を立ち上げろよ、何かやりなよ」って言われたよ。俺はそう言う彼らの顔を見ながら思ったんだ。退屈だからとか、スポンサーがいないからとか、そういう理由で立ち上げられたボードカンパニーなんて、スケートボードは必要としてないだろうって。そんなのはカンパニーを立ち上げる理由じゃないよ。カンパニーを立ち上げるとしたら、それは本当に素晴らしいアイデアがあって、「これだ!」っていう夢中になれるものがあってのことだと思う。そこまでのものは俺になかった。別に史上最高のアイデアを持つ必要はないけど、少なくとも、平凡普通なものを作って周りの人たちを窒息死させるようなマネはするべきじゃない。スケートショップを、退屈で面白くないモノで一杯にするようなことだけはしないで欲しい。何かを始める時ってのは、ある程度の責任が伴うんだ。1秒でもいいから、果たして世界は本当に別の新しいブランドを必要としているだろうかって考えてみて欲しい。これは小さなインディペンデントのカンパニーのことを言ってるんじゃないよ。俺は彼らを支持してる。俺が言ってるのは、スケートのカルチャーに何の貢献もせず、金を儲けるだけのために大企業がブランドを作ることについてだよ。

どうしてチョコレートに移籍することにしたの?Crailtapのブランドのどういうところが好きなの?

分かりやすい理由はマイク(キャロル)とリック(ハワード)がいるからだよね。スケートを始めたときから、彼らがやってきたことの大ファンだったし、彼らが長年かけて作り上げてきたものが、このインタビューで俺が話してること全てに対する答えだね。ファミリーなんだ。リックのオフィスに行けば、グラフィックをプリントアウトしたものが床に並べられてて、リックがそれを自分で選んでるんだ。それを見たとき、俺の居場所はここだって思ったよ。それにマーク・ジョンソンもいるしね。俺のボードスポンサーは全部マークが持ってきてくれたものだから、それを考えたらチョコレートは俺がいるべき場所なんだと思うよ。みんなありがとう。もし君たちが俺のことをフックアップしてくれなかったら、スケートボードにドンキーパンチするところだったよ。他にやることを考えつかなかったからね。

0 件のコメント:

コメントを投稿